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高橋和興ファンの戯言
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 ここのところ真面目に出勤している(?)某役員に「四捨五入したら四十か。論外だな」と言われたさくらです、こんばんは。
 自分なんて四捨五入したら五十のくせに、男と女ではどうしてこうも扱いが違うのか?
 以前、某上司に「制服着なくなったら終わり。頑張って二十歳まで」と言われて理不尽さを感じたのだけれど、その後、彼のお嬢さんが高校生になってそんな馬鹿なことも言ってられなくなったのは、ちょい残念。
 ・・・って、これ、セクハラ受けてる?


 さて、我が和興のストライク・ゾーンがどうであれ、役者は役であればどんな相手ともラブ・シーンを演じなければならない
 私としては、ラブ・シーンなんぞ無い方がいいわけだが、和興が役者なんだからそうも言っていられない。
 願わくば、それが美しいシーンであって欲しい、というくらい。

 例えば、年上の女性と、というのであれば、夏木マリさんなんてどうだろう?
 妖艶な感じが幻想的なシーンを生み出してくれそうでちょっと見てみたい。
 三輪明宏さんとかね。

 年下だと・・・うーん・・・女の子が和興にベタぼれしてガンガン迫ってくるのをオトナっぽくひらりするりとかわして、最後の最後に彼女のおでこにキス、くらいかなぁ。
 相手は清純派でもそうでなくてもいいや。和興の大人~な感じが出れば。
 あぁ、そういう、ほんわか系のラブ・ストーリー、演じてくれないかなぁ。

 オトナと言えば、初老の紳士ばかりで接客するイタリアン・レストランの話が展開される漫画があって、結構、ツボ。
 最近、外伝のコミックも発売されたので、興味のある方はご一読を!
 ちなみにタイトルは『リストランテ・パラディーゾ』、外伝は『GENTE』、作者はオノ・ナツメさんです。

 

 

 

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 夏休みも後半になり、「あ~、昔はこれくらいになると『そろそろ宿題やらなきゃなぁ』と思っていたなぁ」なんて思い出す。
 昨日の皆既月食は、自由研究がまだだった小中学生には格好のネタだったに違いない。

 ところでその皆既月食。
 怪奇月食だと思っていたのは私だけだろうか?
 「カイキゲッショク?・・・『怪奇!月が食われる!!』で『怪奇月食』???」と。
 なんとなく、江戸川乱歩っぽい世界を想像して背筋が寒くなったものだけれど、そんなお話があっても面白い。


 昼間の暑さが残る、蒸し暑い夜。
 人気のなくなった住宅街を自宅へ急ぐ女性がひとり。
 通い慣れた道なのに、なんだかいつもより暗い感じがして少し気味が悪い。
 自然に早足になるけれど、粘つく空気が足を絡めてなかなか前に進まず、かえって気ばかりが焦る。

 「きゃっ」
 いつの間にいたのか、目の前に黒い人影をみとめて思わず声を上げる女性。
 黒尽くめのその人影がモノも言わずにゆっくりと彼女に覆いかぶさる。
 彼女が最後に目にしたのは、薄赤い月の影だった・・・

 「『皆既月食の夜、吸血鬼現れる』ぅ??」
 朝食のトーストをかじりながら新聞を読んでいた探偵・高橋和興が素っ頓狂な声を上げた。
 「先生、ちゃんと口の中の物を食べちゃってから喋ってくださいよ」
 まったくもう、とお手伝いのあき竹城が和興の座っている机の上を台ふきんで拭く。
 「あきさん、今朝、新聞読んだ?いまどき吸血鬼だよ、吸血鬼!」
 あきの注意もなんのその、和興は興奮しっぱなしだ。
 「はいはい、先生、珍しゅうございますね。でもね、吸血鬼なんて、本当にいるわけございませんよ。それより、さっさと朝食を食べちゃってくださいな」
 あきにはさらりとかわされたが、和興の頭の中は吸血鬼でいっぱい。
 ついには、自分の目で確かめに行く・・・

 幾番目かの夜。
 やはり昼間の熱気がそのまま残る、じっとしていてもじっとりと汗が流れる蒸し暑い夜だった。
 公園の茂みに隠れるように吸血鬼を探していた和興は、茂みの向こうの歩道を足早に歩く女性を見つける。
 「夜の一人歩きなんて危ないなぁ」
 和興がボディーガードを買って出ようとしたその時、女性が小さく悲鳴を上げた。
 「誰!?」
 「僕は探偵をしている和興と申します。決して怪しいものでは・・・」
 女性の問いかけに和興は答えようとしたが、どうやら女性は自分に話しかけたのではなかったようだ。
 その証拠に、和興には背を向けている。
 彼女の目の前には背の高い、黒尽くめの人影があった。
 「・・・吸血鬼!?」
 茂みをがさがさと言わせながら歩道に出る和興。
 その物音に、人影が和興の方を向く。
 薄暗くてよく見えない相手に向かって、和興が話しかける。
 「美しい女性をエスコートするにはちょっと強引過ぎないかい?いきなり抱きつかずに、まずは片膝をついて手を差し出し・・・」
 手振り身振りを交えて説明しながら人影に近づいた和興が、隠し持っていた懐中電灯で相手の顔を照らす。
 「・・・お、俺!?」
 懐中電灯の光に浮かび上がったその顔は、和興そのものだった!
 光に驚いたのか、女性を和興の方へ突き飛ばし、踵を返すもう一人の和興。
 和興はあまりのことに、突き飛ばされた女性を受け止めるのに精一杯だった。

 「じゃぁ、吸血鬼は先生だったんですか?」
 事務所の掃除をしながらあきが相槌を打つ。
 「いや、俺じゃないって!俺にそっくりだったってだけで」
 「同じ顔してたんでしょ?じゃぁ、先生が吸血鬼みたいなもんじゃないですか」
 「そうか?・・・いや、違うでしょ!」
 あきのとんでもない理屈に納得しかける和興。
 「それで、その女性はどうなさったんです?」 
 「入院してるよ。ショックで意識を失っちゃったからね、病院に運んだんだ」
 「じゃぁ、まだ先生は捕まらないんですね。捕まる前に今月のお給料、ちゃんと支払ってくださいね」
 「だぁかぁらぁ!俺じゃないってば!」
 どうもあきとの会話は調子が狂う。

 しかし、その後、吸血鬼騒動はすっかり収まり、結局、あれがなんだったのか、誰も知ることはできなかった。
 ただ・・・和興は、あの皆既月食の晩に見た自分そっくりの吸血鬼が、なんだか自分の中から生まれ出たもののような気がして、奇妙な感覚にその後しばらく悩まされることになるのだった・・・

 

 

 週刊現代に中日の若手3選手(井端、朝倉、藤井)の合コン乱痴気騒ぎ(?)&お持ち帰り(?)記事が載り、「こういう記事が出るなんて、中日の選手もメジャーになったわねぇ」と生暖かい目で見守っているさくらです、こんばんは。
 ちなみに、お持ち帰りに成功したのは妻子持ちの朝倉投手だけで、1,2次会とも清算した井端選手や一番若手の藤井選手は独身なのに、さびしく宿舎に帰った模様。
 この先、どうなる!?朝倉家!!

 和興もこのまま着々とファンが増えたら、週刊誌ネタとか出るんだろうか・・・?
 いや・・・そんな私生活とかどうでもいい・・・

 どうせ載るなら「高橋和興、世界進出!!」

 ・・・暑くてバテようが、元気いっぱいだろうが、私の考えることはいつも同じなんだな。

 

 まずはお知らせを2つほど。

 =メンテナンスのおしらせ=

 8/29(水) 22:00- 8/30(木) 6:00の間、メンテナンスで断続的に接続できなくなります。


 =更新をお休みします=

 8/31(金)~出張のため、更新お休みします。
 帰ってくるのは9/1(土)ですが、怠慢のため、次の更新は9/3(月)になる可能性大です。

 

 さて。
 連日、猛暑日というか酷暑日というかが続く名古屋。
 「今日も暑いですよ~。なんと、最高気温は33℃!」というお天気お姉さんの言葉に
 「え!?昨日より4℃も低いじゃん!涼しいじゃん!」とツッコミを入れたら
 「さぁ、関東地方の皆さん!今日も一日、頑張りましょう!」・・・って・・・おい・・・名古屋じゃないのかよ。

 くーっ!関東人は涼しくていいよなぁ・・・と、基準が間違っていることに気づかぬまま、TVに悪態ついたりしてたら、この暑いのに、なぜか、夏風邪。
 熱はないけど、のどが痛い。
 やる気がないのと身体がだるい気がするのはいつものことなので、特に夏風邪とは関係ないハズ。
 こりゃ、しっかり食べてさっさと治そう!と、肉をバカバカ食べてたら、あっという間に体重
 これでまたお姫様抱っこが遠のいてしまった・・・

 そして、この夏風邪の間、回らぬ頭でぼんやりと妄想していたのは和興による看病

 「さくらさん、食事できそう?」
 エプロンした和興がキッチンから持ってきたのはおかゆ。
 ベッドに起き上がり、和興にふぅふぅ冷ましてもらったおかゆを口に運んでもらったり!!
 きゃ-っ!また鼻血で死ぬ~!!!<もういいって

 「首筋、冷やしたほうがいいよ」
 なんて、タオルに包んだ保冷剤を持ってきてくれたり・・・
 しまいにゃ、あの優しい声で子守唄よっ!!
 もちろん、手を握ってもらって、もう片手で私の手の甲で、歌に合わせてぽんぽんと拍子をとって。

 どうよ!?
 執事喫茶もいいけど、さらに上を行く「看病喫茶」!
 宣伝文句は「貴女の疲れたこころを看病します」!!


 問題は・・・和興以外には別に看病されたくもなんともないってことだな。<商売にならん!


 「先生?」
 名古屋に帰ってもどうにも事件のことが頭を離れない名取。
 助手の本村健太郎が心配そうに声をかける。
 「あの打撲痕、どうしてできたのかしらね?」
 「打撲痕、ですか?」
 「被害者のさくらさんの頭部にあった打撲痕よ。殴られたというより、突かれたような感じだったでしょ。何でできたのかしら?それに、あの気管に詰まってた鼻血・・・」
 「鼻血?」
 「そうよ。他に傷はなかったもの。あれは大量の鼻血が気管に流れ込んで窒息したのよ。だけど、顔はきれいだったでしょ?それが不思議なのよねぇ」
 ・・・なんと、さくらの死因は鼻血だと言う。
 「とにかく、あの打撲痕と鼻血の原因を調べなきゃ!本村君、やるわよ!」
 「それは・・・ひょっとして・・・」
 「そうよ!君が実験台!さ、ぐずぐずしてないでさっさと始めましょう!」
 こうして本村はいつもの通り、名取の実験台になるのだった・・・

 「このたびはご愁傷様です」
 喪服に身を包んだ川村ゆきえがさくらの両親に頭を下げる。
 「川村さん、こちらこそ、さくらが大変お世話になって・・・さくらを見つけてくださってありがとうございました」
 「そんな、頭を上げてください。私がもっと早く先輩を訪ねていればこんなことにはならなかったかもしれないのに・・・」
 「いいえ。この暑い名古屋で、亡くなってすぐに見つけていただいただけで・・・あの子も暑かったでしょう・・・」
 目元にハンカチを当てるさくらの両親。
 ひとしきり話をした後、ゆきえが二人のもとを離れた。
 「川村さん」
 呼ばれて振り向くと、そこには名取が立っていた。
 「こんにちは。私、さくらさんの解剖を担当した監察医の名取です。このたびは大変だったわね」
 「いえ・・・」
 「少し、お話してもいいかしら?」
 「はい・・・?」
 怪訝そうなゆきえ。
 しかし、名取は解する風もない。
 「あなた、さくらさんのお宅にお邪魔したのは何時?」
 「え?警察にはお話しましたけれど、15:00頃です」
 「それ、間違いない?」
 「えぇ」
 「それじゃ、その1時間前くらいに彼女の部屋で掃除機をかけたのは誰なのかしら?」
 「え?掃除機?」
 「そうよ。彼女の部屋の下に住む学生さんが掃除機の音を聞いてるの。彼、彼女が滅多に掃除をしないこと、知ってたわ。それから、あなたが時々掃除をしに来ていたこともね」
 「それは・・・さくら先輩じゃないですか?私がいなくても掃除機をかけることくらいあるでしょう?」
 「あなたが来ると分かっていて?」
 言葉に詰まるゆきえ。
 「それにね、あの掃除機からは誰の指紋も出なかったのよ」
 「指紋がないなら、私じゃないってことですよね?」
 「あなたの指紋がないなら、ね。でも、あの掃除機からは誰の指紋も出なかったの」
 ゆきえには名取の言っている意味が分からない。
 その様を見て取った名取が微笑む。
 「少し話を変えましょう。さくらさんの後頭部に打撲痕があったのはご存知?」
 「えぇ、刑事さんから聞きました」
 「その打撲痕、上から殴ったというより、何かで突いたような痕なの」
 「???」
 「さくらさん、掃除をしない割には輸入物の大きな掃除機を持っているのね。かなり音が大きいけど、吸引力がすごいってやつ。どこもかしこも丈夫にできててかなり重いのね。キャスターがしっかりしてるから普通に掃除する分には構わないけど。でも、輸入物だから私みたいな日本人体系には柄も長すぎるわ」
 はっとするゆきえ。
 「あの掃除機の柄とさくらさんの打撲痕が一致したわ」
 名取の言葉に震えだすゆきえ。
 「まさか、死んじゃうなんて思わなかったんです・・・」
 みるみるうちにゆきえの大きな瞳に涙が溜まっていく。


 あの日。
 昼過ぎにさくらの家を訪ねたゆきえは、いつものように部屋の片付けと掃除を頼まれた。
 休みで、いい加減散らかった部屋をゆきえが片付け、掃除機をかけ始めると、さくらはDVDを見出したのだと言う。
 「うるさいからって、ヘッドフォンをしてたんです、先輩」
 ゆきえはさくらの座っているソファに背を向けて掃除機をかけていた。
 フローリングの上に敷かれた薄いラグを掃除機が吸い込み、勢いよく柄を持ち上げたのと、さくらが画面に映った高橋和興の姿にのけぞったのは、ほぼ同時だった。
 運悪く、掃除機の柄はさくらの後頭部に命中してしまったのだ。
 「先輩!大丈夫ですか!?」
 慌ててさくらの無事を確かめるゆきえ。
 しかし、その時、さくらはまだ生きていた。
 「だ、大丈夫、大丈夫。驚かしてごめんね。和興がかっこよすぎてさぁ、ほら、鼻血まで出ちゃった!この鼻血で記念サインでもしちゃおうかな」
 涙目になりながらも、笑っていたのだと言う。
 ただ、さくらの言うとおり、大量の鼻血が出ていた。
 だから、ゆきえはティッシュボックスを抱えたさくらをおいて、氷を買いに出かけたのだ。
 ところが・・・
 その鼻血は治まることなく、上を向いていた時に、どういう加減か気管に入り込み、気道をふさいでしまったようだった。
 ゆきえが戻ってきた時には、さくらは既に息をしていなかったのだと言う。

 「あの時、氷なんか買いに行かずに、先輩のそばにいたら・・・あんなに血が出ていたんだから、病院に連れて行けばよかった・・・」
 自分が掃除機の柄をぶつけたせいで死んでしまったのかもしれないと思い込んだゆきえは、そのことを言い出せなかったのだと、話した。
 救急車を呼んだゆきえは、大量の鼻血で汚れているさくらの顔をタオルで拭いて、救急車の到着を待った。
 「汚れた顔を他人に見せたくないだろうと思ったんです・・・」  
 名取はゆきえの話を聞いて、警察に一緒に行こう、と促した。
 名取の言葉にゆきえは肯き、二人は警察へと向かうのだった・・・


 事件の顛末を話すために和興に会う名取。
 「そうですか・・・さくらさんは僕のDVDを見て・・・」
 名取の話に、さくらの死に少なからず自分が関わっていたことを知り、和興は暗い表情になる。
 「それでね、ゆきえさんが出て行って一人になったときに、あなたの名前を書いたんじゃないかって話だったわ。彼女、本当にあなたのこと好きだったのね」
 「いつも、大げさなくらいの愛情表現でした」
 元気なさくらを思い出し、口元だけで微笑む和興。
 「彼女の、さくらさんの後輩の方はその後?」
 「ゆきえさんが掃除機の柄をぶつけたことが直接の死因ではないし、彼女が出て行ったのは治療のための氷を買うためだったわけだし。適切な行動ではないけれど、彼女なりにさくらさんのためを思って行動したのと、さくらさんの親御さんも訴えないと言うことで、厳重注意ですんだわ」
 「そうですか。よかった。さくらさんもそのほうが安心するでしょう」
 「やさしいのね」
 名取は和興の言葉に少しだけさくらに嫉妬する。
 「僕にとってさくらさんは、大切なファンの一人ですから。ファンが大切にしている人やものを僕も大切にできればいいと思っているだけですよ」
 「私も、大切に思ってもらえるのかしら」
 ある種の期待をこめて訊く名取に和興は満面の笑顔で答えた。
 「もちろん!また、Glassesにも来てください!・・・と、そろそろ稽古なんで失礼します。よかったら舞台も見に来てくださいね!」
 さわやかな笑顔を残して、大きく手を振りながらその場を後にする和興。
 つられて手を振りながらも、「そういう意味じゃないんだけど・・・」とファン以上の扱いを期待した名取は半泣きの笑顔で和興を見送るのだった。
 

(おわり)

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